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【バックナンバープレイバック Vol.8】

By inoue, 2019-05-15

2013年5月24日に発売されたビターVol.8.

好調なセールスを記録した前号(創刊1周年に当たるVol.7)の勢いは衰えぬまま、初夏に差し掛かる今号は、誌面からも「これでもかっ!」というほどのリゾート推しが伺える。

ビビッドなピンクのポロシャツを着た笑顔の秋山成勲氏が登場の表紙は、「BITTER」ロゴを秋山氏の着用しているウェアの色と合わせることで、統一感のある印象に。

まさに初夏真っ只中、夏を先取りしたデザインになっている。

 

 

誌面冒頭の記事『MY BEST OF…』、そして巻頭のファッション企画タイトルでは、ずばり『艶な男のリゾート気分(テンション)』というタイトルの記事が特集されるなど、とことんリゾートスタイルで勝負した誌面構成。

梅雨を完全無視したかのような夏先取り企画は、眺めているだけで気持ちが夏モードに切り替わっていくような…そんな焦燥感を掻き立ててくれる。

 

 

 

この当時のリゾートスタイルは、艶感やゴージャス感を併せ持ったものが多く、今と比べるとカジュアル度が低いのが特徴。

夏スタイルながら、爽やかさ以上に暑苦しさすら感じさせるほどのむせ返るような「男の色気」は、生地や素材、柄、ウェアのデザイン、さらには着用している男たちの日焼けした黒肌、男くさいヒゲなど、複合的な要素が重なってこそ生まれるもの。

しかし、この今でいう『ビタ男』と呼ばれる独自のカテゴリーが確立され、不動の定着を果たしたのがこの時期。

かつてのギャル男ファッションとも、そして『ビタ男』系の源流に当たるオラオラ系ファッションとも異なる進化を遂げた、唯一無二のジャンルであった。

 

 

まず、このシーズンを象徴する最旬アイテムといえば、ミラーサングラスを挙げたい。

かけるだけでリゾート感を加速させて、さらにフェイスまわりに華やいだ印象をプラスしてくれるミラーサングラスは、ストリートでも急上昇で支持されていった。

ミラーサングラスだけでなく、カラフルな色合いのレンズ、フレームを取り入れたもの、クリアフレームで軽さと涼しげな印象を発揮するクリアサングラスなどなど、夏を前にしてアイウェア戦線は一気にヒートアップしていく。

 

 

ミラーサングラスと並んで忘れてはいけないアイテムが、華やかなボタニカル柄で彩られたショーツ。

トップスをカッチリしたスタイルでまとめながら、ショーツでカジュアルダウンさせる手法は、リゾート感を演出する上でも効果的だった。

この流れは、後にスイムウェアをストリートで穿きこなすといったスタイルにも繋がっていくこととなる。

 

 

その時季の流行をダイレクトに感じ取れるのが、スナップ企画の『TOKYO REAL SHOOTING』。

本誌モデルのKAZUAKIはじめ、トレンドに敏感なファッショニスタたちは、こぞってショーツやミラーサングラス、そしてボタニカル柄アイテムを取り入れたスタイルを提案していった。

巷の男たちが必ず持っていたアイテムたち――。そう言っても過言ではないほど、これらリゾートな性格のアイテム群は売れ筋商品だったのである。

 

 

さらにこの号で注目すべきは、ビターが人気ブランド「DOWBL」とのコラボイベントを果たしたこと。
当時、渋谷109メンズでトップクラスのセールスを誇っていたDOWBLのインストアイベントは、本誌モデルARATAをDJに迎え、大いに盛り上がった。

誌面に掲載したレポート記事には、当時の懐かしいDOWBL信者たちも多く確認できる(笑)。

(しかし…改めて見ると、みんな肌が黒光ってます!)

 

 

月刊化される前から人気ブランドとのコラボイベントを果たすなど、内外の注目度がさらに高まっていくビター。

それは、現状に満足することが許されない「トレンドを引っ張るもの」としての期待感であり、義務でもあったのだ。

 

 

井上 晋太郎