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【バックナンバープレイバック Vol.19】

By inoue, 2019-07-31

今回取り上げるバックナンバーは、2015年8月号。

表紙はフランクリン&マーシャルのタンクトップ・フォトプリントショーツでキメた秋山氏。ヒザ上というよりモモ丈のショーツと日焼け肌のコンビネーションが夏の気分を盛り上げる。

真っ白のバック地を背景に、夏の日差しを思わせる強烈なライティングに照らされたアニキの風貌は、まさに夏の体現者と言ったところだ。

 

 

 

 

今号の巻頭特集は「真夏のテーマはアクティブなオトコ!!」。

シンプルながらも目立ち、カンタンだけどスタイリッシュな「真夏に着るべき軽快カジュアル」な着こなしを伝授する内容となっている。

それまでのトレンドと言えば、ややデコラティブでゴージャス感の強いニュアンスが主流だったが、2015年夏からは、ハッキリとシンプルカジュアルに移行し始めた時期である。

なので、この企画ではあくまでシンプルに、カラーリングやサイジングで勝負する夏のコーデをプッシュ。

存在感のあるビターな男たちには、これだけの味付けで十分だという証明にもなった。

白を基調としたロケ地で、純白の清潔感のあるニットソーに、夏らしさ抜群なボタニカル柄ショーツを組み合わせたARATAのスタイリングも、シンプルでありながらも季節感をシッカリ押さえた“艶”なカジュアルコーデに仕上がっている。

7月下旬発売ということは、おそらく撮影は梅雨の時季に行われたであろうことが推測されるが、そんな憂鬱な季節感を感じさせないサマーショットがGOOD。

さすが、渋谷系カメラマンのドン・キング的存在、鈴木竜太氏である(笑)。

 

 

 

 

企画本編では、真夏にジャストなアイテムを、ただシンプルにまとめるという「大人のこなしテク」を提案。

シンプルなTシャツをメインに作る「ラフで軽快」なイメージは、夏の着こなしの必須項目だ。

トップスは派手さを抑えつつ、ショーツや足元で遊び心をプラスすることで、落ち着きながらもワンランク上の大人の印象に仕立ててくれるそのスタイリングテクは、大いに参考になったことだろう。

だいたいこの時季はサンダルが多くなるが、ここではあえてスニーカーやスリッポンを推奨。

これも、ラフ過ぎないためのテクニックの1つである。

 

 

 

 

「色気と美脚のサマーショーツ最終便」と題したショーツ特集では、刺激的なアングルのオープニング。

表紙や巻頭ファッションで魅せた爽やかさは影を潜め、夜っぽさ、そしてエロさを感じさせるディテールが心憎い。

扉でイメージモデルを務めるのは、巻頭と同じくARATA。

彼の右手にはミラーボールが添えられていて、そのギラギラとした光沢感が夏に向けて牙を研ぐビタ男のイメージを体現している、というのは穿った見方であろうか?

従来のイメージではカジュアル度が強く、どちらかと言えばリゾートでのラフなOFFスタイルにマッチしていたショーツが、この頃ビタ男にとっては戦闘服のひとつであることを物語っている。

ちなみに当時から、ヒザ上ショーツはあまり女子ウケが良くなかったのだが、なぜ「モテ」を信条とするビタ男たちは好んで穿いていた。

ヒザ上ショーツがビタ男たちのどの部分に刺さったのか、未だ謎である……。

 

 

 

 

この号の「TOKYO REAL SHOOTING」の中からスナップ群を見返しても、それまで以上に多種多様なスタイルが多くなっていることがわかるだろう。

かつて、1つのスタイルが流行ると猫も杓子も右にならえとなっていた時代は、そのパターンだけ押さえておけば良かったので、ある意味読者的にも編集部的にもラクだった。

 

 

 

 

2015年夏を境に、トレンドは大きく変化し、そして多様化していく……。

それは「同じファッションを身にまとうことで感じられる安心感」から脱却し、「自身が本当に着たいものを着たいように着る」という、ビタ男たち個々が掲げた“独立宣言”であったのだ。

 

 

井上 晋太郎