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【バックナンバープレイバック Vol.34】

By inoue, 2020-02-20

ビターバックナンバーを振り返るのも今回が最終回、最終号となる2018年12月号を振り返ってみたい。

表紙はビタモ全員集合という、記念碑的なテイストを色濃く発揮。

ビタ男カルチャーを牽引してきた彼らの表情は、どこかやり切った感のある満足げな印象すら感じられる。

 

 

巻頭企画『ファッショニスタの秋服コレクション』では、ビターモデルのプライベートファッションを特集。

白ホリゾンのスタジオ内で撮影されたこの企画、ストリート感や背景と絡めた”写真として魅せる”スタイルではなく、純粋にファッションのディテールを紹介する硬派なスタンスを取っている点にも注目したい。

ビタモだけでなくスタイリストやアパレル関係者など、渋谷トレンドを実際に引っ張ってきた猛者たちが、最後にその雄姿を披露してくれた。

そんなメモリアル的な企画において、トップバッターとして扉を飾ってくれたのがAMI。

オリジナリティ溢れるヨーロピアンなスタイルが、実にビターな印象を醸し出しているのが彼のコーデの特徴。

その艶っぽいセンスを大いに参考にした読者も多いのでは?

 

 

YOUTUBEの『BITTERチャンネル』で活躍中のKOUTARO&KOUKIも私服を披露。

両者ともに季節感とストリートの流行を盛り込みながらも、自分の好みとセンスを反映させた”オンリーワン”な装いに昇華させている点が目を見張る。

紙からWEBに変わっても、2人のセンスに触れられるのは幸運と言ってもいいだろう。

 

 

中盤ではページを割いて、ARATAがディレクションするRAZZを特集。

ストリート全開なデザインと着こなしはトレンドを超越して、センスを追い求める男たちのアイコンとなった。

最後までビターという存在がストリートのトレンドを牽引していけたのは、間違いなくARATAという男の存在ありき。

彼がカッコイイと信じるそのセンスをリアルに、少しでも読者にお伝え出来たのならば、編集部としても幸甚の至りである。

 

 

2018年当時に欠かせなかったビターの名物企画といえば、フェス取材も外せない。

ファッションだけでなく、この『BITTER’S CUTTING EDGE』に代表される、カルチャーを取り上げた企画が多かったのも、ビターの特色。

ビターこそ、今で言う「陽キャ」の極みのような存在だった。

かつては夏の代名詞的存在だったフェスも、この頃には夏以外の時季でも充分な集客と盛り上がりが見込めるほどのビッグコンテンツに成長。

そんなフェスの浸透に、ビターという存在が少しでも貢献出来たのではないか、と思いたい。

 

 

当時の盛り上がりを詳細に伝えるページがある一方で、来場していた数多の美女たちをスナップ撮影した『GIRL’S CRUISIN’』も、現場の臨場感をビンビンに伝えてくれる。(もちろん、目の保養になることは言うまでもなし!)

ここに登場したハイレベルなルックスの彼女達、今もフェスには出かけてるのだろうか…。

時代が変わり、流行りのファッションやメイク、ヘアが変わっても、『イイ女』の本質は変わらない。

2020年、令和2年となった今も、世のイイ女たちは、流行のスタイルに身を包み、男たちの視線を独り占めしているはず。

そんなイイ女と釣り合うイイ男は、カッコよさとオシャレさ、そして男らしさを内包したビタ男的な男性であることも、また不変の真理なのである。

国内で毎年起こる自然災害、そして世界的な疫病、天変地異など、将来への明るい展望が抱きにくい時代ではあるが、だからこそ男はカッコつけて、女はイイ女ぶっていただきたい。

 

 

2012年3月の登場から6年7カ月——その歴史の幕を閉じた雑誌ビター。

数々のトレンド発信や人気モデルの輩出、また「ビタ男」という単語が浸透するなど、短いながらも存在感を示せたのでは、と思う。

現に、ビターという名は今なお、WEBストアという新たな場所で生き残っている。

これからも「ビターテイスト」「ビターイズム」なスタイルが新たなユーザーに脈々と受け継がれて行くに違いない——。

 

井上 晋太郎